Tailor Works for Community
ログイン新規登録

2024年10月2日 12:00

更新

2025年5月2日 8:05

VOL21.【アンチ・ドーピング③】SFTC会員団体との連携による 「スポーツの価値」を基盤とした教育

コミュニティ限定

はじめに

 今回の記事は、公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(JADA)から発信する3回シリーズの最終回となります。初回の記事では、アンチ・ドーピングがトップアスリートだけに関係するものではなく、スポーツを通した国際交流や協力の基盤とも言える「スポーツの価値」を育み・創り、スポーツの価値を未来につなげることを目的にしていることをお伝えしました。この目的は、「スポーツの価値を世界中に届ける」というスポーツ・フォー・トゥモロー(SFT)の趣旨と共通します。2回目の記事では、アンチ・ドーピングのルールは「全世界・全スポーツ共通のルール」であるからこそ、アンチ・ドーピングがスポーツを通した国際協力の一領域になりうることを紹介しました。今回の記事では、JADAが、スポーツ・フォー・トゥモロー・コンソーシアム(SFTC)の会員団体と連携して取り組んできた事例とJADAで制作している教材についてご紹介します。


スポーツの価値を基盤とした教育

 世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が定める「世界アンチ・ドーピング規程(Code)」及び「教育に関する国際基準(International Standard for Education)」では、国際競技連盟や各国アンチ・ドーピング機関、大会組織委員会など、クリーンスポーツに関わる各組織が果たすべき教育の役割が定められ、オリンピックやパラリンピックに出場するアスリートやサポートスタッフ、様々なスポーツの競技団体(International Federation/National Federation)に登録しているアスリートやサポートスタッフへの教育環境整備が発展しつつあります。一方で、開発途上国の子どもたちや障がいのある人たちは、スポーツに参加する機会とともに、スポーツの価値を基盤とした教育(「スポーツの価値」に気づき、深め、実践する教育)を受ける機会も十分に得られていない現状があります。しかし、「スポーツの価値」を守り・創るというアンチ・ドーピングの目的から考えると、アスリートやサポートスタッフだけではない、全ての人たちと「スポーツの価値」について考え、共有する機会を創ることは意義があります。