
2024年10月23日 12:00
更新
2025年1月21日 3:21
VOL24.【障害者スポーツ】パリ2024パラリンピックにおけるチャンネル4の新たな試み:「超人」からの脱却
コミュニティ限定
はじめに
パリ2024パラリンピックが華々しく閉幕し、世界中から集まったアスリートたちが、パラリンピックの舞台でその技術と精神を競い合いました。パラリンピックの開催は、スポーツを楽しむ機会であると同時に、障がいに対して無関心な人々に気づきを促す貴重な機会でもあります。
また、国際協力においても、パラリンピックを一つの起爆剤として、障がいの有無に関わらずスポーツや様々な社会活動に参加できる社会づくりを啓蒙することがあります。その際に重要なのは、パラリンピックの大会自体やそこに参加する人々の魅力や価値をどのように伝えられるかという点です。その意味で、メディアの果たす役割は非常に大きいです。
本稿では、パリ2024パラリンピックにおける英国放送局Channel 4(チャンネル4)がパラリンピアンを純粋な競技者として描くことの重要性を訴えたキャンペーンについてご紹介いたします。
パリ2024パラリンピックにおけるチャンネル4が掲げたメッセージとは
チャンネル4はロンドン2012パラリンピックにおいて「MEET THE SUPERHUMANS」というキャンペーンを展開し、大きな反響を呼びました。このトレーラーは非常に注目された一方で、パラアスリートを「超人」と表現することが、障がいを「乗り越えるべきもの」というイメージを広げ、一般の障がい者との乖離を生むとの批判もありました。
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