VOL14.【スポーツとジェンダー】スポーツを通じてフェミニズム運動を推進するドイツのディスカバーフットボールフェスティバルとは？

はじめに

　ドイツのベルリンにサッカーをプラットフォームにフェミニズム運動を推進する「ディスカバーフットボール（Discover football)」という非営利団体があります。本記事では、筆者も参加したディスカバーフットボールのプロジェクトに焦点を当てて、ジェンダー課題解決を目指したプロジェクトの事例を紹介します。

１．サッカーを通じたフェミニズム運動を推進するドイツの非営利団体、ディスカバーフットボール（Discover Football）

　2009年に創設されたドイツのベルリンに拠点を置く、ディスカバーフットボールは、サッカーを世界中の多くの人と思いを繋ぐツールとして優れていると考え、女の子と女性のエンパワーメントのために活用しています。ディスカバーフットボールはフェミニズム運動*1をサッカーを通じて推進していく団体で、世界中の女の子や女性たちと繋がり、能力向上のためのワークショップや啓発キャンペーンを実施するほか、サッカーとジェンダー平等をテーマにした国際交流事業などを実施しています。また、ディスカバーフットボールは、ベルリンに住む難民の若年女性向けにもプロジェクトを実施しています。UNHCR（国連難民高等弁務官事務所）[i]によるとドイツでは、124万人の難民と23300人の亡命を希望する人が報告されており、ヨーロッパの中で難民や亡命者を受け入れ国として、難民の人々をどのようにドイツの社会の中でインクルーシブしていくかが、大きなテーマとなっています。また、ディスカバーフットボールはサッカーを通じた女性の権利の啓発に積極的で、中東のイランや、イラク、アフガニスタンの女性たちと連帯し、サッカーをプラットフォームで女性の権利を発信しています。