Tailor Works
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2021年10月27日 19:00

【Tailors #5 前編1】超帰省=帰省のシェアリング

全体公開

「Tailors」では、地域のコミュニティで継続的、持続的に社会課題を解決する仕立て人の皆さんにお話を伺っていきます!


今回のTailors(シタテビト)は、超帰省のコミュニティオーナー 原田 稜(はらだ りょう)さんです!「さあ、日本中に帰省しよう!」をテーマに、超帰省の活動をされています。帰省というと、お盆や年末年始に地元に帰ることをイメージします。しかし、超帰省では「地元=思い入れや思い出があるまち」と捉え、帰省の概念を拡張しています。

▼超帰省のご紹介

https://shibuya-qws.com/project/chokisei


超帰省とは一体何なのか?また、超帰省の立ち上げ経緯についてお話しいただきました。




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みずの:本日モデレーターを務めます、みずのけいすけです。毎回ゲストの方には、コミュニティに関するお話や、やっていて良かったこと、難しかったことなどをお伺いして、コミュニティオーナーならではの悩みなどをお話しいただいています。そして最後に、次回ご出演いただくゲストをご紹介いただいております。

本日のゲストは、日本全国を拠点にした「超帰省」コミュニティオーナーの原田 稜さんです。よろしくお願いします!


原田:よろしくお願いします!


原田さんのご紹介


みずの:原田さんは、静岡県焼津市出身で、大学進学を機に上京されました。大学では建築を専攻され、新卒でハウスメーカーに入社され、マンション設計を担当。

そこで、建物や周辺の環境、地域や人などのコミュニティの部分に興味を持たれました。現在は、行政やデベロッパーと協働したまちづくりやエリアマネジメントの業務を行いながら、超帰省プロジェクトを推進されています。

今日はよろしくお願いします!


「超帰省」とは


みずの:早速、原田さんが関わられているコミュニティの中身についてお伺いしていきたいんですがコミュニティの紹介をお願いできますでしょうか?


原田:超帰省プロジェクトは地方出身の3人で行っております。現在は3人とも東京に住んでいるんですけれども、東京にいながら地域に対して何かできないかということでプロジェクトを立ち上げました。



原田:「帰省」は、お盆や年末年始に実家に帰る行事ですが、僕らは友人を連れて地元に帰省しています。1人で実家に帰るのではなくて、友人や誰かを連れて帰省することで、普段と違った旅が生まれるんじゃないかと思っています。「地元」は生まれ育った場所だけでは無くて、思い出のある町という定義をしています。


みずの:生まれ育った場所に加えて、学生時代を過ごしたとか、最初に社会人として過ごしたとか、そういうのも含めて「地元」に含まれるんですね。


原田:そうですね。僕自身も、大学進学を機に東京に来て、東京に長く住んでいるんですけれど、それって「地元」と呼んで良いんじゃないかと思っています。地元という言葉は色々と拡張できると思っていますね。そういった活動を通して、ガイドブックに載っているような町を紹介するのではなくて、自分自身のパーソナルに沿った地元紹介ができると思っています。

「昔、このお店でよく飲んだんだよ」とか、実家に友人を連れていくことでお父さんや家族が地元を紹介するとか、パーソナルに沿った旅が最もローカルな旅だと感じて、超帰省を始めましたね。案内する側も、「自分の地元ってどういう場所なんだっけ?」っていう再発見を通して、もっと地元が好きになることもあると思います。


首都圏出身者だと「俺、地元って呼べる場所がないんだよね」みたいな人がいるけれども、「友人を介して日本全国に地元ができる。地元って1つじゃないんだよね」という考えを大切にしています。


超帰省を文化にしたい


原田:仲間を連れていく帰省とか、仲間に付いていく帰省っていうのが、最もローカルな旅でありつつ、どこにいても新しい町との付き合い方を生み出すんじゃないかと思ってプロジェクトを進めています。


原田:僕らとしては、そんな「超帰省」を広辞苑に載せるという目標でやっていまして、お金を稼ぎたいというよりかは、こういう考え方を広めていきたいですね。色々な旅の形が生まれていると思うんですけれども、文化の1つとして超帰省が当たり前にある世界を作っていきたいと思っています。


その活動の母体として「SHIBUYA QWS」という場所で活動しているんですけれども、なかなか僕ら3人だけでは全国に広げていくのは難しいので、活動に協力してくれる「アンバサダー」という形で超帰省文化を広めています。

現状は、「超帰省協会」という一般社団法人を立ち上げていまして、①アンバサダーの方と共に SNS を活用した地域や地元の紹介をしたり、②この町ってこういう場所ですよっていうライブ配信をしたり、③移動と帰省を含めた「超帰省やってみようプロジェクト」をしたり、この3つの軸で活動を進めています。



そんな皆さんのおかげでメンバーも増えてきて、85人の方が集まってくれています。ちょうど先月、47都道府県にアンバサダーがいるようなコミュニティができています。


みずの:今は、85人もいらっしゃるんですね。


原田:はい。僕ら3人で始めたプロジェクトでしたが、「一緒にやってみない?」と声掛けをさせてもらって、それによって日本全国に地元ができている感じになっていますね。


みずの:素晴らしいですね。この辺は、後で詳しく伺わせてください。


原田:アンバサダーの方たちと、インスタグラムで地元紹介やFacebookでライブ配信、地元紹介のオンライン企画もさせていただいています。


みずの:ありがとうございます!聞きたいことが沢山あります。

聞いていて素晴らしい活動だと思いました。特に、立ち上げのストーリーがとても良いなと思っています。資料やnoteを読ませていただきましたが、最初の3人のコアメンバーがやってみたというところから始まっているんですよね?


原田:そうですね。元々、3人が大学生の時から、各々で自分の実家に自分の友人を連れていくということをやっていたので、その実体験を通して「こんなことしたら面白いんじゃないのか?」みたいな感じでプロジェクトとして立ち上げました。

そういった話を友人にすると「自分もそういうことしてたよ!」みたいな話になって、「アンバサダーにならない?」と声掛けをさせてもらいました。


超帰省を始めたきっかけは、同じ経験をした3人で各々の地元に帰省をしたこと


みずの:それって一番最初のきっかけになったのは、いつ頃になるんですか?


原田:3人の関係性をお伝えすると、僕と守谷は大学が同じで、卒業した後に「何か一緒にやりたいね」と話をしていました。2人の共通点だった「地域」にテーマを絞った時に、お互いに友人を地元に連れていくようなことをやっていたよねという話になりました。

守谷の友人の根岸っていう女の子が、本格的に地元の小田原で友人を連れていくことをやっていて、可能性もあるし共感者も多いなというところから、「3人でやっちゃう?」みたいな感じで始めましたね(笑)


みずの:きっかけのところは「何かやりたいね、プロジェクトとしてやりたいね」ぐらいの温度感だったんですかね? サークル活動のような趣味寄りの活動としてやることもできたと思いますが、そうではなく最初の方から事業というか、骨組みのしっかりしたプロジェクトとしての構想があったんですか? それとも、それはやりながら決まっていったんですか?


原田:やりながら決まった感じですね。コンセプトを作って、実際に3人の家に行ってみたんですよ 。そこで友人のお父さんが出てくることもありました。

何気ない場所なので観光地としては出せないんですけれど、「子どもの頃にここでこんな体験をした」という話が自分事化できることが多かったので、新しい旅のカタチのヒントになりましたね。


みずの:すごくイレギュラーなテーマという訳ではないのに、新しい感じがするなという気持ちなんですよね。友人同士で相互に行き来するってところが面白いなって思いましたし、「帰省のシェアリング」とおっしゃているところにすごくグッと来ましたよね。お互いに色々な人の町に行きながら、超帰省を展開していけると気づいた感じですかね?


原田:そうですね。その町に行く時って、観光目的とかスケジュールを作って考えると思うんですけれど、「その人」のその町はどんなところか分からないんですよね。守谷の町は、人口も少なくて、山の中にポツンと家があるようなところです。山の中に田んぼ畑が広がっていたのですが、これは守谷を通してしか体験できないものだと思います。


みずの:その人がツアーガイドになるので、凄くその町に惹かれそうですね!


原田:写真で見ると何気ない1枚かもしれないですけど、その人がテーマオーナーとなって紹介してくれるのが良いところですね。


みずの:日本中に帰省しようということで、noteを書いておられましたが、これは何をやろうとしているのかが分かりやすいコンテンツだなと思いますので、動画をご覧になっている皆様にも是非見ていただきたいです。


地元に友人を案内する時は「この体験を通して、何を思ってもらいたいのか」を考える


みずの:これはまさしくメンバー同士で帰省した時のお写真ですかね?



原田:これが守谷の地元ですね。


みずの:皆さんめちゃテンション高い!(笑)良いですね!これは何を収穫しているんですか?


原田:そばが有名だそうで、そばの田植えをみんなでやった時の写真ですね!


みずの:良い写真ですね!知らない場所にパッと行ってもこうはならなそうな感じですよね。すごくゆかりのある場所な感じが伝わってきます。

こちらもそうですか?



原田:根岸という女性の家で、BBQをして、根岸の地元の友人もここに参加しています。


みずの:同窓会みたいなね(笑)


原田:そうですね(笑)東京から来た友人と地元の友人を交流させてみようということで、皆で楽しく過ごしました!


みずの:1個1個のシーンはごく自然なシーンかなと思うんですが、「超帰省」としてやる中で確信犯的にそれを起こせるのが面白いなと思いましたね。


原田:ツアーの中でも、この体験を通して「何を思ってもらいたいのか」を考えていて、自分の中で何を伝えたいのかを整理しながら進めています。



原田:この写真は、僕の地元の焼津の写真です。手前の右下の2人が超帰省メンバー、奥のメンバーが地元の友人ですね。地元はお茶で有名なんですけれど、地元の子でもお茶摘みをした事のない人もいます。左の男性が高校の友人で、彼の家がお茶屋さんなので、お茶摘み体験をさせてもらいました。

こういった体験を通して、地元の子も自分の地元の文化に触れることができますし、東京と静岡の繋がりを作ることをコンセプトにしていましたね。


みずの:地元の人が地元の名物を食べないとかもあるあるな話ですよね。

「おもてなしするぞ!」というのが全体から伝わってきて良いですね。自分の町にゲストを呼ぶ時って「どこに行けば良いんだっけ?」みたいになりますよね。そう考えることで、より旅に深みが出てくる気がします。


原田:この間も、「東京から〇〇の友人が来るんだったら、私も行きたい!」みたいな声が地元の友人から出てきています(笑)


みずの:ありがとうございます。一旦この辺りで締めさせていただきます。

原田さん、ありがとうございました!

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