Tailor Works
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2021年10月27日 19:00

【Tailors #3 前編】受講生との1on1でコミュニティへのコミット率が向上

全体公開

「Tailors」では、地域のコミュニティで継続的、持続的に社会課題を解決する仕立て人の皆さんにお話を伺っていきます!


ゲストは『ローカルシフトアカデミー』のオーナー、稲田 佑太朗(いなだ ゆうたろう)さんです!ローカルシフトアカデミーとは、東京など都市部在住で地域に興味関心がある人や、UIJターンを考えている人、新しい働き方を模索している人を対象とした、起業家精神の醸成を目的としたコミュニティです。



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みずの:こんにちは!モデレーターを務めます、みずの けいすけです。

早速ゲストの方にご登壇いただきましょう!今回のコミュニティオーナーは、宮崎県新富町で活動されており、ローカルシフトアカデミーのコミュニティーオーナー「いなっち」こと稲田 佑太朗さんです!よろしくお願いします!


稲田:よろしくお願いします!


みずの:私の方で稲田さんの自己紹介をさせていただきます。 1988年生まれ、宮崎県延岡市出身。高校卒業後、県外の大学に進学し、臨床検査技師の資格を取得されています。その後、故郷である宮崎県にUターンし、7年間臨床検査技師として医療現場で様々な人の死に直面し、「生まれてきて良かった」と思える社会を実現するために県職員を退職されました。「自分と繋がり、今を生きる人を増やす」をテーマに地域に必要とされる人材育成に携わることを決め、活動を続けていらっしゃいます。参加者の内発的な動機づけや交流促進を得意とされていて、好評を博していらっしゃいます。今日はよろしくお願いします!


稲田:よろしくお願いします!


自然、食の豊かな町、新富町


みずの:さて、事前にお写真などもいただいておりました。私もこの番組を通じて、色々な町のお話を伺えるのがとっても楽しみで、コロナ禍なのに色々な町に行きたくなってしまってしょうがないんです(笑)

では、早速お写真を見ていきましょう!最初のお写真は、ライチですか?



稲田:新富町にある国産生ライチです。基本的に、日本で売っている9割が海外産です。大体、冷凍物のライチは黒色ですが、生のライチは赤くて、凄くみずみずしくて美味しいです。一粒1,000円のライチもあるので、お土産やギフトにも喜ばれている商品です。ちょうど今の5月から7月が収穫時期なので、まさに今、農家さんが一生懸命収穫をされています。


みずの:一粒1,000円?!


稲田:はい。一粒1,000円ですね!


みずの:大きさはゴルフボールくらいですか?


稲田:ゴルフボールより少し大きいです!糖度15度以上で非常に甘いです!


みずの:相当甘いですね!食べてみたいな〜!



稲田:新富町富田浜という海があるんですけれども、凄く海岸も広くて、左側の写真のように乗馬体験ができます。また、右側の写真のように、今まさにウミガメが上がって来て、産卵をしていく時期になっています!ちょうど夏休みとかは子供たちが産卵を見に来ますし、小亀が出てくる秋口には小亀を見ることができる浜なので、ここは遊泳禁止になっています。


みずの:ここもお住まいのところからそんなに離れていないんですか?


稲田:車で5分くらいです(笑)


みずの:めちゃめちゃ近い!!観光地がそんな身近に!5分は日常ですね。はぁ…毎回素敵すぎてため息が出ちゃうんです。

こちらはどんな写真ですか?



稲田:新富町のビッグイベントです!航空自衛隊の基地がありまして、航空自衛隊を解放して、戦闘機が飛ぶこともあります。新富町が大体1万6,000〜1万7,000人くらいの人口なんですけれども、町内・町外の人たちが訪れるというところで、この1日に5万人くらいのお客さんがいらっしゃるイベントです。


みずの:なるほど!お、次のお写真はおとみちゃんですね!



稲田:ありがとうございます。おとみちゃんは、最近、新富町の公認のゆるキャラになりました。新富町に、「KIGURUMI.BIZ」という全国の着ぐるみを作っていらっしゃる会社さんが移転されて来て、子ども達とワークショップをおこないました。おとみちゃんが着ている花柄の服は子ども達が考えたアイデアで、しっかりとキャラクターに落とし込みながら作っていただきました。


みずの:右の方が着ていらっしゃる T シャツも気になりますね。ありがとうございます、ここまで新富町のご紹介をしていただきました!

ちなみに、県外の方がいらっしゃった時に紹介される定番のお店はありますか?


稲田:色々ありますね(笑)


みずの:色々ありそう!


稲田:新富町はうなぎの養殖が盛んで、よく食べに行きます。あとは農業が盛んな町なので面白い野菜も取れるんですけれども、野菜カフェ「こゆ野菜カフェ」も行きますね。そこは元々農家さんの娘さんが運営されているところで、本当に野菜の美味しさを十二分に味わえるカフェです。また、宮崎牛を食べられる焼肉屋さんもあって、本当にどんな気分かによってお店は判断するという感じですね。


みずの:よりどりみどりですね!お腹が空いている時に聞くんじゃなかったなと思いました(笑)


ローカルシフトアカデミーについて


みずの:稲田さんに色々お聞きしたいと思うんですけれど、最初にコミュニティのお話をしていただきたいです。特に、お話をお伺いしたいのが「ローカルシフトアカデミー」についてです。どのようなコミュニティなのかというところのご説明からお願いします!


稲田:ローカルシフトアカデミーは、元々地方創生という流れの中で、首都圏にお住まいの方々や、いつか地方に行って仕事を作って移住したい方々に向けて、オンラインとリアルのハイブリッドのビジネススクールというものを開講したというところが背景にあります。オンラインスクールの中でのフィールドワークは、宮崎県新富町に来てもらって、実際に地域課題を見たり、地域の魅力を感じたりした上で、「どうやったらこれを仕事にできるか?」というところを、実践形式のスクールをさせていただきました。


コミュニティ立ち上げ初期の集客について


みずの:ありがとうございます。 最初の開講にあたって、どのように集客されていたんですか?


稲田:そうですね。やっぱり人集めは、凄く大変でした。

(飛行機飛来中…)

飛行機が飛んでいるので、頑張って話します(笑)

ローカルベンチャースクールという前身のスクールがあって、そのスクールの受講生に情報発信してもらったところが大きいですかね。


みずの:前身となるコミュニティがあって、そこからのシフトという流れがあったんですね。

どれぐらいの参加者を集めたいと思っていましたか?


稲田:目標設定では、20人を考えていました。

こんな訳もわからないところに人が集まると思ってなかったんですけれども(笑)


みずの:ターゲットとしては、どんな人が来てくれたら良いなと思ってましたか?


稲田:20代から40代の間で、出身は地方でありながらも「いつか地元に戻りたい、地域で何かしたい」っていう人達です。特に、首都圏にいる方々というのはスキルを持っていらっしゃいます。そのスキルを地域とどうやって掛け算して仕事ができるかという点は、やっぱり現場に行かない限りは何も分からないというところもあるとは思います。ですので、首都圏と地域の橋渡しができるようなスクールにしていきたいと思っていました。


みずの:実際の反応はどうでしたか?


稲田:意外と反応が良かったです!定員まで達していますし、これまでローカルベンチャースクールからローカルシフトアカデミーも含めて、大体70人ちょっとの受講生がいるのですが、その中から7人は新富町に移住をしてくれました。


みずの:素晴らしい成果だなと思うんですけれども、移住された方は新富町に縁のある方なんですか?


稲田:新富町に縁がない方もいらっしゃいますね。それこそ I ターンの方もいらっしゃいますし、宮崎県出身で U ターンの方もいらっしゃいますし、本当に様々ですね。


みずの:だいぶ手応えはありましたか?


稲田:そうですね!僕も頭の中では、地域に人が移住して仕事を作って、2拠点生活のような座組みができるんだろうなとは考えていました。でも、本当にそうやって生活している人がいるんだっていうところは驚きでしたね。


オンライン・オフライン開催での工夫について


みずの:オンライン開催をしっかりと充実させて、そのような座組みでやられたんだと思いますけれども、2020年の9月ですから凄く難しい時期でもあったのかなという風に思います。特に去年はコロナ禍で、リアルとオンラインの兼ね合いみたいなところは、同じように悩まれた方がたくさんいらっしゃったのかなと思います。

実際に、その辺りはどういう風な工夫がありましたか ?


稲田:リアルとオンラインはそもそも別世界の話なので、オンラインをリアルに近づけようということは、あまり気にかけていなかったです。オンラインだからこそ出来ることをしようというのはありました。

オンラインのコミュニティや講座、イベントの場合は、その人の素性や背景を知っている人が参加するとコミット率が凄く高くなるという仮説を持っていました。リアルと比べて、オンラインだと「移動時間が0」というところが良さだと思うので、受講生全員と1時間ぐらい1on1をして、その人が参加した理由をしっかりと僕が握ることができました。その結果として、リアルだけで開催していた時よりもオンラインを活用した時は、過去1番で離脱率が少なくなりましたね。


みずの:なるほど 、めちゃめちゃ面白いですね!

しっかり1対1の関係を築いておく。それが大事だなって思われているのは、元々の稲田さんのマインドなのか、これまでに取り組まれてきたことの中で気づいたことなのか。どんな感じですか?


稲田:リアルだと「とりあえず会おう」みたいな感覚になるんですけれども、オンラインになると、どうしても「距離を詰めなきゃいけない」みたいな感じになりますよね。尚且つ、オンラインで1on1をしようと思った背景として、僕もこれまでオンラインのセミナーに参加して思っていたんですが、知らない人ばっかりだったら参加したくないじゃないですか。この経験から「20人の知り合いよりも、一人一人の友達になろう」と思って。そうすれば離脱率も減るなと思ったので、1on1をしようと思いました。


みずの:結構大事な話ですよね!特に、実践されてうまく結果に繋がったという点からしても、とても大切な観点かと思います。心細さのケアもできますし、凄く受講者側に寄り添っていて、とても参考になりました。

元々の想定があって、立ち上げてやり始めてみて、継続していこうという流れに繋がっていった感じなんでしょうか?


稲田:そうですね。本当に効果があったので、他のコミュニティにも通じるんじゃないのかと感じました。

あと、オンラインのコミュニティだと、何かしら活動はしているのに参加者がどんどん減っていく…みたいなもどかしさがあるじゃないですか。だけど、自分の時間を割いて一人一人と会話すると、結果的にその後の工数が減るんですよね。イベント前日に「この時間でよろしくお願いします」ぐらいの感じでも、それに対してリアクションをしてくれる人たちが増えると、「何でメンバーはたくさんいるのに参加して来ないんだ」っていう運営側のモゾモゾを解消することができると思います。


みずの:「下ごしらえ」みたいなことって凄く重要だなと改めて感じました。最初の導入があったからこそ、その後の相互の自発的なコミュニケーションが生まれたみたいなことに繋がっているんでしょうか ?


稲田:受講生同士でオンライン飲み会をやったり、自分達が作ったプランをお互いにブラッシュアップしたりしていました。中小企業診断士の方もいらっしゃったので、その方は自分の知っている知識やマーケティングの話をする講座を開いてくれて、自発的に活動してくださっています!


コミュニティでのコミュニケーションについて


みずの:なるほど!年齢も境遇も立ち位置もバラバラだったはずですよね。コミュニケーションスペースは何を使用されていましたか?


稲田:ベースは運営側が「Facebookでやりますよ」という形にはしていましたが、連絡は基本的に自由でした。

LINEは凄く気さくにコミュニケーションを取るツール、Facebookは業務連絡をするツール、Slackはプロジェクトに関する連絡を取るツールのような感じで使用していました。


みずの:用途を分けたことが、凄く成功の要因だったと思いました。そういうコミュニケーションの場所を用意しても、その中で発言してくれないっていうことで悩まれている方も多いかな思うんですけど、そこの工夫も何かありますか?


稲田:効果があるのかな…というレベルですが、基本的にその人がSNSで発信したことに関しては、いいねなどでリアクションを取るようにしていました。


みずの:いやいや、大事ですよね!


稲田:直接LINEなどでメッセージを送ってしまうと、どうしても「何か気にかけてる?」みたいな感じでプレッシャーをかけてしまう気がしていて。それよりは、自分の発信にいいねを押してくれるとやっぱり嬉しいと思うので、そこでコミット率を上げていくってことをしましたね。


みずの:このYouTubeチャンネルでも、色々なコミュニティのオーナーにお話を聞いているんですけれど「皆さん視線が優しいな、参加者側を見ていらっしゃるな」という感じがしたんですね。いいねを付けることは「あなたの発信を見ているよ」という意味でもありますので、その関係の紡ぎ方が素敵だなと感じました。ありがとうございます!


ローカルシフトアカデミーの現状と展望について


みずの:ローカルシフトアカデミーについてお話を伺っておりますが、現状とこの後の展開を教えていただいてもよろしいでしょうか?


稲田:ありがとうございます。ローカルシフトアカデミーは、本当にありがたいことに新富町で開催させていただいていますが、今年は石川県の能登町で「ローカルシフトアカデミーをやってくれないか?」というお話がありまして、次はそちらでローカルシフトアカデミーを開催させていただくことになっております!


みずの:どこでも対応できる仕組みになっているのが素敵ですよね!


稲田:「移住」というとどうしても「滞在、Stay」っていう意味合いが強いのかなと思うんですけれども、僕としては移住はただの「Life」だと思っています。その時期、そのタイミングにその土地が合えば行けばいいし、それぞれステージが上がると東京に行き、また地方に戻るように。まさにそれが「移住」であり、僕の中には留めることが移住という認識があまりないです。


みずの:なるほど!石川県側からの依頼があったというのは、どういう経緯なんですか?


稲田:ANAさんの「イノ旅」というプログラムで、高校生がお茶の事業者さんのところで探究学習をした時に、私もそのプログラムに携わっていたんです。その時に、ANAさんから「旅と学びの協議会」にもぜひご参加くださいということでご縁をいただきました。

そこで、石川県の能登町さんが「来年度は、関係人口の創出や移住定住にちょっと力を入れたいんだよね」というお話をされたので、僕がこれまでさせていただいたローカルシフトアカデミーのお話をしたんです。すると、「是非!だけど、それは能登町でもできるのかな?」というお話をされたので、「座組みはそんなに難しくないです。むしろ僕はこの座組みがいろんな地域でできれば、東京の移住検討者(約500万人)に移住を後押しできるようなプログラムでもあるので、ぜひ能登町でやりましょう」とお話し、今年させていただくことになりました。



みずの:ありがとうございます!これも凄く良い実り方ですよね。実際に、その町に影響があるということだけではなく、他のエリアにまで影響が出るところがとても良いサクセスのお話だと思ってお聞きしておりました。

まだまだお話を伺っていきたいなと思いますが、一旦ここまでを前編とさせていただきます。ご清聴いただきありがとうございました。稲田さんありがとうございました!


稲田:ありがとうございました!

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