Tailor Works
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2021年10月27日 19:00

【Tailors #2 前編】コミュニティ立ち上げのコツは「小さく始めること」

全体公開

今回のTailors(シタテビト)は、『きりしまみぞベル』オーナーの今吉 直樹(いまよし なおき)さんです!

きりしまみぞベルとは、鹿児島県霧島市溝辺町で暮らす人たちが、世代やジャンルを越えてつながることを目的としたコミュニティです。



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みずの:こんにちは!みずの けいすけです。早速ゲストの方にご登場いただきましょう。今吉 直樹さんです!


今吉:よろしくお願いします!


今吉さんのご紹介


みずの:簡単に今吉さんのご紹介をさせていただきます。

今回のコミュニティオーナーは、鹿児島県霧島市で活動されていらっしゃる「きりしまみぞベル」のオーナー、今吉 直樹さんです。今吉さんは、1980年に鹿児島県霧島市溝辺町で生まれ、今もお住まいになられています。2004年に溝辺町役場でお勤めになった後、2011年に自ら志願され、鹿児島県庁の観光課に1年間ほど出向されていらっしゃいました。この時は九州新幹線の全線開業のタイミングに伴って、流客のプロモーションを担当されたそうです。その後、2012年に霧島市役所の観光課に配属となられて、以降10年間は霧島市の観光行政に携わられていらっしゃいました。

2016年には中小企業庁が行う「ふるさとプロデューサー育成事業」に自ら志願し、活動されました。こちらのプログラムの研修生として、福島県会津若松の卸問屋さん「本田屋本店」のプロデューサーも務められている本田 勝之助さんが行う、全国各地の地域課題を解決するための活動に同行されました。これは、お勤めしながら、活動に同行されたということですか?


今吉:はい。市役所に勤めながら、出張扱いで行かせていただいていました。


みずの:その頃は、今吉さんが会津の方に行かれていたということですよね?


今吉:そうではなく、全国各地に本田プロデューサーが行くんですよ!その場所その場所でメンバーが現地集合するんです(笑)


みずの:現地集合ですか!(笑)プロデューサーの手腕を目の当たりにできるのは、凄い体験でしたね!

その際に、今回の今吉さんのお話の中で大切なキーワードとなる「ガストロノミー」という言葉に出会い、その概念に無限の可能性を感じられたと伺っております。このあたりも、後ほど詳しくお聞かせください。

さて、2017年に官民連携で「食」を真ん中に置いた活動を行う「霧島ガストロノミー推進協議会」を発足。同年に霧島の食のビジョンでもある「霧島食の道 十ヶ条」を制定されました。さらに活動を進められていきまして、2018年には地域ブランド「ゲンセン霧島」の認定制度をスタートされました。そこから3年間で、延べ59の商品やサービス・活動が、ゲンセン霧島として認定されています。今年2021年3月には17年間勤められた霧島市役所を退職し、4月にはまちづくりの会社「キリシマビト」を起業し、現在に至ります。今吉さん、本日はよろしくお願いいたします!


今吉:よろしくお願いします!


みずの:ここまでのご経歴を拝見していると、少しずつ様々な挑戦をされながら活動を続けてこられたイメージがあるんですけれども、この3月に退職されたんですね。


今吉:3月で退職をさせていただきました。


みずの:退職されたのは、今活動されている「キリシマビト」のお仕事に専念したいという想いがあってですかね?


今吉:そうですね。10年後の霧島市を想って、自分にしかできない役割があるんじゃないかなと思ってですね。もっともっと実力をつけるために、茨の道に出かけるタイミングですね(笑)


自然豊かな町 霧島市溝辺町


みずの:このタイミングでお話を伺えて嬉しいなと思っております!

霧島市の町の様子のお写真を事前にいただいていておりました。拝見していければと思っておりますが、自然がすごく豊かだということも分かります。こちらは清流が流れていますね。



今吉:霧島市は、海抜0M〜1,700Mまで標高差がある町で、それぞれの地域に食材や資源が豊富にあります。その中で、一番の魅力は温泉ですね。霧島山に降った雨が何十年もかけて湧き出してくる水なので、我々の暮らしにはなくてはならない資源ですね。


みずの:他にもこのような色々なお写真もいただいております。



今吉:水が良いので、すごく美味しい作物が穫れます。また、「霧島」というぐらいですので、霧が深い場所も多いです。



霧が、みずみずしさだったり、寒暖の差だったり、日射量を調整する役割も担ったりして、美味しい食材ができる地域ですね。



みずの:これは、果物を採っている写真ですかね?


今吉:はい、私の家族が果物を採っている写真です。


みずの:今吉さんご本人ですよね?


今吉:もう上の女の子は、中学2年になっています。


みずの:まだまだ結構小さい頃の写真でしたね。梨も一つ一つが大きいですね(笑)


今吉:頭くらいありますよね(笑)



みずの:このように、各地域の特産物をお聞きするのも、この番組の面白いところです。こちらの写真は茶畑ですかね?


今吉:霧島茶ですね。お茶も産地なんですよ。認知度はまだまだないんですけどね。品質では農林水産大臣賞とかをよく受賞する産地なんですけれども、実はこれは自宅の前の写真になります。


みずの:凄い!事前にお聞きした時はびっくりしました(笑)もう見渡すとこんな風景になっているということですよね?


今吉:そうです。家の庭を出ると、この景色です!


みずの:地元の方にもお茶は飲まれていて、習慣として根付いてる感じなんですね ?


今吉:「茶いっぺ、飲んで行っきゃんせ」という言葉もあるくらいです。これは、「お茶一杯飲んで、ゆっくりしていきなさい」みたいな言葉です。お茶が、常に生活の中にある暮らしでしたね。


みずの:生活に溶け込んでいるように感じました。そういった言葉があるぐらいの根付き方をしているということですよね。本当に、お写真一枚一枚でも聞いていきたいぐらいです(笑)



みずの:鹿がいるお写真もありますね。


今吉:国立公園で、原生林が残っていたりするので、鹿は多いんですよね 。最近は、鹿の食害なんかも地域課題としてはあるんですけどね。


みずの:畑とか農作物とか食い荒らしちゃったりするんですね。


今吉:食い荒らしちゃったり削ったりしちゃうようなところはあるんですけど…


みずの:共存の道を探りながらやっていらっしゃるという感じですかね。


今吉:そうですね。



みずの:これは自然体験のお写真ですね。今はなかなか難しいかもしれませんが、結構色々な楽しみ方がありそうですね。


今吉:これも近くの川なんですけれど、子ども達がゴンドラに乗って川遊びをしたりしています。なかなか最近はできていないですが、大人がサポートすればできたりもするので、最近は少しずつやっています。


みずの:アウトドアは密ではないので、アクティビティとしてはまだ生き残っているというか、可能性はあるなと思います。また、こういう遊びができるぐらいになると良いですよね。


今吉:本当に、子ども達は楽しみますね!キラキラしていますよ。



みずの:さてお祭りの写真ですね。


今吉:地元の小さい公民館の祭りなんですけれども、この祭りは私の父が始めた祭りで、もう25〜26年前からやっています!今、60〜70代くらい方達が元気な時に始めた祭りです!


「きりしまみぞベル」の由来と、立ち上げの経緯


みずの:ここからは今吉さんが活動されていらっしゃるコミュニティについて、お話を伺っていきたいなと思います。「きりしまみぞベル」という名前でコミュニティを運営していらっしゃると思いますけれども、こちらはなぜこういうお名前になっていらっしゃるんですか?


今吉:そうですね。霧島市で活動しているので「きりしま」は入っていて、「みぞベル」というのは「溝辺で〇〇する、みぞべる」みたいな動詞的な意味と「幸せのベルが僕たちから鳴らして色々な人に届けたい」という想いを掛け合わせた名前です。


みずの:なるほど!「みぞベル」を立ち上げられて活動していらっしゃるということですが、コミュニティの形式をとった目的や立ち上げの経緯をお聞きしても良いですか?


今吉:自分も市役所の中でまちづくりを専門にしていたこともあり、地域が衰退していたのが目に見えていたので、その課題を解決するには「コミュニティ」が必要だなというのは思っていました。コミュニティを作ることで、自分だけの能力じゃなくて、関わってくれる人達の力で物事が前に進む感覚を持っていたので、仲間づくりは最初から考えていましたね。

田舎であればあるほど、先輩方の存在は大きいので、事前に相談をしながら小さく始めました。いきなりドンッ!と始めると変な潰され方をされかねないので(笑)


みずの:結構大事な話ですよね!


今吉:「なんか始まってるなぁ」ぐらいの感じで活動していたのが最初の導入ですかね 。


みずの:少しずつ実績を積み重ねながら取り組まれていったというところが、大事なポイントだったんですね!


今吉:そうですね。本当に小さく始めたのが良かったと思います!


みずの:人口がだんだん減っていく中で、元々その地域にあった青年団や商工会議所のようなものが、自然と機能しなくなってしまうことが各地域の問題として起きてしまっていると思います。お話を聞いていると、今吉さんは既存のコミュニティに関わっていらっしゃった立場なのかなと思ったんですが、その辺りはどうですか?


今吉:行政の立場で幅広く関わってはいました。でも僕はあくまでマネジメント側で、プレーヤー側ではなかったです。僕ら行政は「主役は市民だ」という気持ちで仕事をしていました。しかしこれからは、行政と市民と分けることなく、「しがらみがない、やりたいことに取り組める組織」が大事だと思って、最初はコミュニティを創り出しました。


みずの:面白いですね!活動しやすい形にはどういうものがあるだろうと探っていったみたいな感じですね。みぞベルでは、最初にどのような人を巻き込んで始められたんですか?


今吉:最初は、地域のお医者さんや、市議会議員の先輩の方です。


みずの:そこは相談しつつですよね。


今吉:そうですね。「こういうのをしたいと思ってるんですけど」とお話をしたところ、「こういうのは若い人にやってもらえたら良いよね」という会話になって。そこで、僕がその当時、常に色々な活動に一緒に取り組んでいた2〜3人を集めて始めたような形ですね。


みずの:いきなり盛大な組織にしちゃうと大変だっていうのは、なんとなく分かります。普段のコミュニケーションの中から、少しずつ雪だるまにしていくシーンみたいなものを作られていったんじゃないのかなと思いました。凄く良いお話でした!


今吉:良いところばっかりでもないんですけどね。緩く始まった分、やっぱり難しいところが出てくるのかなと思っています。決め事がない組織っていうのは、やりづらい部分もあるので、そこは覚悟の上で運営しないといけないかもしれないですね。


みずの:活動されながら感じられたところもありそうですね


今吉:ありますね…(笑)ここは具体的な話になってきそうなので、後半にお話しした方が良いですかね。


みずの:そうですね、後半にお聞かせください!次回は、コミュニティ運営で実際に手応えを感じていることなど、具体的な部分に更に深く話を伺っていけたらなと思っております!今吉さん、ありがとうございました!


今吉:ありがとうございました !

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