Tailor Works
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2021年10月27日 19:00

【Tailors #1 後編】メンバーが創業に取り組む背景を「なぜ」でとことん深堀る

全体公開

今回のTailors(シタテビト)は、前回同様、『別府市創業コミュニティ』オーナーの大塚 智子(おおつか ともこ)さんです!

別府市創業コミュニティとは、別府市における創業やビジネスに関心のある方々のために作られたコミュニティです。現在は、別府に関心のある事業者や自治体の方々も参加されています。



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みずの:大塚さん、本日もよろしくお願いします!


大塚:よろしくお願いします!


みずの:はい。YouTube上でこの番組が公開されていると思いますが、今回は、第2回となりまして、大塚さんが着ているTシャツの話は、前回ちゃんと触れていますので、良ければそちらもご覧ください。さて、普段大分県の別府市で色々とお取り組みをされていらっしゃるかと思いますが、お写真をいくつかいただいております。この写真も良いですね!賑やかな感じです!



大塚:ちょっとインパクト勝負みたいな感じですけども(笑)


みずの:これはどのような状況ですか ?


別府市創業コミュニティの雰囲気


大塚:はい。これは別府にある旅館の一室です。真ん中で桶を被っていらっしゃる方は、別府市長の長野さんです。パッションに溢れるユニークな方で、面白いことの中でも、市民に役立つことだったり、「別府のことが外に伝わることはどんどんやりましょう!」という気概がある方で、皆にすごく愛されています。別府市長の後ろにいらっしゃる方々は「起業したい・これから何かやりたい」という方と「この人たちを応援したい」という方達です。


みずの:まさしく、大塚さんが取り組まれている創業支援の支援者側の方と参加者側の方々が一同に介しているということですね。いつ頃のどのようなシーンの写真ですか?


大塚:一昨年の夏頃の写真です。記憶が定かじゃないですが、その辺りですね。


みずの:全然大丈夫ですよ!これは何をするために集まっているんですか?


大塚:旅館で2日間かけて、自分がやりたい企画をブラッシュアップしていく「起業家合宿」みたいなものです。全部で10チームくらいに分かれて、自分のアイデアを持っていらっしゃる方、そのアイデアに共感して応援したい方に加えて、別府市の市役所の方もアドバイザーに入って、皆でその一人の企画を練りあげていこうというプロジェクトの写真です。


コミュニティのお仕事を選んだ理由


みずの:このお写真を見ていても分かるように、雰囲気がとても良いなと感じます。創業支援や色々な事業への支援は、コンサルタント型や色々な形式があると思うんですが、なぜ「コミュニティ」としてこういったお仕事をしていこうと思われたのかという話を聞きたいのですが、いかがですか?


大塚:そうですね。みずのさんもご経験があるかもしれないですが、「何か新しいことをやろう!大きなチャレンジをしよう!」と思う時に発起人である自分は孤独じゃないですか。チームのメンバーがいれば色々と話せると思うんですけれども、何かに躓いた時に一番のリスクを取るのは自分で、仲間がいることで頑張れるシーンは多いと思います。そのため、私は仲間づくりをとても大切にしていて。ガチっとした株式会社のようなチームだけではなく、気軽に相談できる他の地域の人や過去にしびれるような経験をされた少し上の先輩達が「いつでも相談して良いよ」といった緩やかなアメーバ状のコミュニティになってくると、せっかく火が付いた火を絶やさずに、ゆっくりと先に進めると思っています。私の中でも、コミュニティ作りが、人生の中でずっと続けていきたい活動の一つになっています 。


みずの:目的は結構様々で、コミュニティに求めるものも色々あると思うんですけども、その温度感が様々でも受け止めることができるのが良いところだったりしますよね。


大塚:そうですね !


みずの:仲間が欲しかったという方も結構いらっしゃいますか?


大塚:そうですね。ご自身では気づいてない方も多いです。「自分の考えが他の人に理解してもらえないかもしれない」だったり、「どう伝えれば良いか分からない」みたいな言語化が得意ではない方もいらっしゃいます。そのような方と壁打ちをして「つまりこういうことですか?」聞いていくと、「それ!」というように閃かれたりします。これは、私が入るからできたことではなくて、その方が元々持っているアイデアや情熱です。それを一緒に色々とお話ししながら、その玉を磨いていくみたいなことは、人やチームがあった方が前に進むと感じます。


みずの:コミュニティの面白いところは、その地域ごとに昔からあったはずのコミュニティが、徐々に少なくなっていたり無くなっていたりする中で、若い人達がその場に集まるだけでもとても価値が出てくるところかなと思います。そういう時に、元々いらっしゃる方や元々あったコミュニティとの接続みたいなことは意識されていますか?


大塚:そうですね。元々あったところはあまり意識していないですね。ただ、「なぜ、この人がこういった想いになったのか」というところを振り返って聞いていくと、その方がその土地の文化をとても好きだったり、お父さんやおじいちゃんから受け継いだ物を大切にされていたりということがあります。ですので、「なぜ、この人はこれをやりたいのか」「なぜ、この人の周りの人はこの人をサポートしているのか」というような「なぜ」を探しています。それは言葉だけではなくて、その人の行動から滲み出てくるものです。今は難しいですが、以前は朝まで飲み明かして話したり。その方がお土産屋さんであれば、その方の作っているお土産を食べたり、働いている風景を見たりして、「あ!だからこの人は、この事業に命を懸けているんだ」というところに、私自身が身をもって体験して、話を進めています!


みずの:良いですね!


メンバーの入り口作り


みずの:コミュニティはくくる形になるので、外から見ると参加の障壁が出てくると思うんですけれど、参加の障壁をなだらかにされているようなお話だなと思いました。新たに入って来る人が、溶け込みやすいように、お話しいただいたような「直接体験してみる」という動きが大事になっていますか?


大塚:そうですね。プロジェクトに参加したい方や興味のある方がいらっしゃれば、「一緒に参加しませんか?」という風にお声がけします。また、私のチームで「GENSEN」という Web メディアを運営しているのですが、そちらでチャレンジされているチャレンジャーの方達の知識を深掘って聞いています。地元の起業家の方達やチャレンジャーの方達の記事を読んで「普段別府に旅行しているけれども、別府に関わることが難しい」と思っている方達でも「自分ができる範囲で参加したい!」と思ってもらえるように「GENSEN」を運営しています。



みずの:実際のリアルな場を活かしていくために、コンテンツ化していく価値を感じながら、運営しているということですよね。ストックすることは、大事ですよね。


大塚:新聞やメディア、テレビなどに取り上げられてる方もいらっしゃるんですが、情報が流れていってしまいます。そうなると、その方のことが適切に伝わらないことがあるので、GENSENで情報をストックしていつでも見に来てもらえるようにしています。


みずの:GENSENのように、取材したりコンテンツ化する時は、いつも以上に相手のことを知ろうとするし、知らないと面白いものにならないので、そこで少しずつ距離を縮められるきっかけにもなりますよね。


大塚:それを日々実感しています!特に、取材しているライターは、大学生を中心としたメンバーで14人います。その14人の中で、10カ国ものメンバーが参加しています。例えば、タイ、アフリカ、南アフリカやモザンビークといった出身のメンバーです。彼らと私たちも英語を使いながら対話をしています。例えば、母国であるモザンビークの教育文化の視点で別府を見ると、どういったことが大事になっているのかとか。なぜ、このチャレンジャーはこういう活動をしているのかなどを、ライターそれぞれの母国の目線で聞いてもらえるので、他の地域にはない記事の深掘り方になっていると思います。



みずの:面白いですね!国旗が並んでいるだけでも「ハッ!」としますね。


大塚:私たち運営側が、学生ライターが取材した原稿やインタビューの様子を見て、いつも感動しています(涙)


みずの:そうか!様々な国のライターがいらっしゃるので、視点もそれぞれ違う。取材を受ける側としても濃い体験になりそうですね。


大塚:そうですね。私たちが普段当たり前だと思っていることが当たり前ではない、ということにいつも気づかされていて。コミュニティにいらっしゃる起業される方もなんですけれど「自分の悩みは自分だけのものだ」と思われている方も多いですし、「自分の情熱が分かるのは自分だけ(他の人に相談しても意味がない)」であったり「誰に伝えれば良いのかわからない」という不安もあると思います。私たちは、その固まった考えをどんどん溶かしていくことが自分たちの役割だと思っています。ライターの皆のように、自分が持っている境界線を無くしつつ、自分たちのバックグラウンドやそこから生まれる視点も大切にしていくと、色々なカオスの中から新しいことがどんどん生まれてくる。その喜びを見られるのは、日々仕事をしていてとても嬉しいことですね。


みずの:ありがとうございます!


コミュニティ運営のキーパーソン


みずの:本日は、コミュニティ運営をする上でのキーパーソンのお話もお伺いしたいです。色々なコミュニティでオーナーがいる中で、オーナーを陰で支える方や皆ととても仲良くしているハブのような方。それぞれの能力を発揮してコミュニティを支えている方は、色々なところにいらっしゃると思います。大塚さんが携わられている別府市のコミュニティの中で、お一人挙げていただけたらと思いますが、事前アンケートで「小島 健一さん(通称:こじけんさん)」とお名前をいただいております。こじけんさんを選ばれた理由は何ですか?


大塚:こじけんさんは、一言で言うと愛がある町のお兄さんです。皆さんそれぞれに、愛と情熱を持ってお仕事をされていますけれど、小島さんは生粋の別府人でして、別府のキャリアに悩まれている方や人生に悩まれている方達に親身に寄り添って、何十年という方です。ご自身もキャリアコンサルタントとして活動されていて、大学生や高校生達から「こんなことで悩んでいて…」という相談を受けると、時間を惜しまずに話を聞いてくれます。高校生だった方が、大学生になり、社会人になってからも、ずっと一貫して応援されています。こじけんさんのような人は中々いないです。私自身も悩みがある時は、話を聞いてもらっています。こういった人たちが1人、2人、3人…と増えていくと、町の駆け込み寺のような場所ができるので、何か悩みがあっても一人ぼっちにならないというような環境は、とても大事だなと思っています。そのため、今回、小島さんを挙げさせていただきました。


みずの:是非、今回の動画も小島さんにも見ていただきたいと思っておりますけれども、元々地元にいらした方でそういう素敵な方を見つけていく、そういう方にさらに能力を発揮していただくことはとても大事ですよね。


大塚:喜びですね。!「ワァ!見つけた!」というような感じです。みずのさんもそうだと思うんですけれども、この人がいるから、周りの方達もニコニコしているんだということを発見すると、この人が困った時に自分が壁打ち相手になれば、その地域に少しでも貢献できるのではないかと思います。私の役割は、いつも影武者や黒子のような立場なんですけれども、それでも自分の中でそういった光る方達にさらに光っていただく応援ができているので、とてもやりがいを持って過ごせています!


みずの:ありがとうございます!大塚さんの中で「これは良かった!」と思える印象的なお取り組み、「ONE BEPPU DREAM」というイベントについてお話を聞きたいなと思っております。こちらのお写真をご覧いただきますが、こちらはイベントのイメージ写真ですかね。



大塚:はい。小島さんが汗水たらして企画をされているものです。別府は、東京や大阪、名古屋に比べると IT 企業は少ないです。ベンチャーやIT企業は少ないですが、例えば「別府の温泉を絶やしたくない」や「100年続く旅館をこの先も続けたい」、「新しい産業を生み出したい」という熱い情熱やハートを持った方が非常に多いです。市長がとても情熱を持った素敵な方ということもあり、「ワクワクしながら何かしたい」と思う方が非常に多いので、その人達の夢をステージ上で発表してもらっています。そしてその夢に共感した地元の企業の人達が、その人に対して、例えば「その家賃うちが払うよ」「その商品の開発費がうちが持つよ」といった、企業に名乗り出ていただくようなステージを3年前から続けています。


みずの:良いですね!町に根付かせていくところが良いですね。毎回盛り上がるということですよね。


大塚:毎回盛り上がりますね!去年は大きな演劇場で開催したんですけれども、ステージに発表される方がいらっしゃって、その下の演劇の畳張りのところに色々な企業の方や市長も混ざって、「いいぞ!いいぞ!」という呼び声を上げていて。とっても別府らしい!と思いました。


みずの:良い町だなー(笑)


大塚:この施設には温泉も入っているので、ひと風呂浴びてから発表するという方もいらっしゃいました(笑)


今後の展望


みずの:今日は、大塚 智子さんにお話をお伺いしております。別府市創業コミュニティのお話を聞いて参りましたが、こちらのコミュニティがこれからどんな風になっていきたいか、どのような未来の姿を描いているかというお話をお聞かせいただけたらと思いますが、いかがですか?


大塚:はい。私は、元々別府の外の人間なんですけども、この別府の土地に携わって、とても魅力的な方々に出会っていくと、「自分たちの生き方は1つじゃない。どこにいても探していくと仲間はいる」ということを強く感じました。これは、皆さんにも言えることで、動画をご覧になっている方もそうですし、別府に住んでいらっしゃるチャレンジャーの方々もそうだと思うんですが。県の境やオンライン・オフラインというところは、あまり関係が無くなってきています。ですので、繋がりたい方やピンと来た方、共感した方にどんどん接続していって、自分自身の情熱をどんどん広げていく。そのようなところを私はこれからも応援したいですし、別府市創業コミュニティもコミュニティの中だけにキュッと閉じこもらずに、その境界線を溶かして、緩やかに全国・全世界の方に接続していけたらと良いなと思ってます。


みずの:そうですよね。前回もお話ししていましたが、100カ国以上の方が住む町でもありますから、繋がりやすさや繫がりやすい素地があるように感じていました。大塚さんは、これからもこじけんさんたちとコミットし続ける予定ですか?


大塚:そうですね。有難いことに、別府という場所で一部のお仕事をさせていただいていますが、たとえ場所が変わってお仕事がなくなったとしても、自分自身の経験が何かに活かされたり、素敵な家族みたいな人達とは、どのタイミングでも「ただいま」と言えるように、これからも関係は続けていきたいですね。私も応援されていますし、ずっと応援していたいと思います!


みずの:ありがとうございます!是非、この番組を町の人、地元の人にも聞いてほしいですね。


次回のゲストのご紹介


みずの:さて、仕立て人の皆さん、地域のコミュニティーの皆さんにお話を伺う番組【Tailors】ですけれども、次回ご出演いただく方をご紹介いただきながら進めていけたらなと思っておりますが、次回お話を伺う方のお名前を教えてください。


大塚:はい。私がご紹介したいのは、今吉 直樹さんです。


みずの:どのようなことをされていらっしゃる方ですか?


大塚:はい。今吉さんは私の同志とも言える方なんです。鹿児島県霧島市で、衣食住の「食」というところを一つの切り口として、そこに携わる一次産業の生産者さんたちやその食材を扱う事業者さんたちの間のハブを作る、うまくそこが循環するようなコミュニティを作っていらっしゃる方なんですね。ちょっと年上のお兄さんなんですけれども、お互いに尊敬するところもあり、ずっと霧島に長くいらっしゃってその地域の方と愛情を持って接していらっしゃるので、とても良いお話が聞けるのではないかなと思います!


みずの:ありがとうございます。ますます九州行きたくなります。本当に機会を見つけて、九州に行きたいなと思っています!本日は別府市の大塚 智子さんにお話を伺いました。たくさんお話をしていただき、本当にありがとうございました!


大塚:ありがとうございました!楽しかったです!

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