Tailor Works
ログイン新規登録

2021年10月31日 12:00

地域マーケティングトレース Vol.03|地方発!世界に羽ばたく可能性プロデュース企業 〜株式会社&US・富山県富山市〜

全体公開


1.はじめに


こんにちは!

テイラーワークス地域特派委員の泉です。


今回分析するのは、富山県にある株式会社&US(アンダス)という会社です。

アンダスのことは富山県に住んでいる友人から教えてもらったのですが、

その際に友人が言っていたのは「採用が面白い」ということでした。


コロナ禍で地方移住などが注目されている一方で、

それは「都市の会社の仕事をリモートワークしながら」という前提があるように思い、

「地方の企業で働く」という選択をする人が少ないのは依然として変わらない印象です。


そんな中で、アンダスはどのような採用を行っているのか、

そのあたりにも注目しながら分析していきたいと思います。


2.企業概要


2.1基本情報

企業名:株式会社&US

代表:廣岡 伸那

創立:2012年6月1日

資本金:650万円

社員:15人

住所:〒939-8204 富山県富山市根塚町3丁目8-7


2.2アンダスが目指すもの

経営理念:可能性の探求

ビジョン:地方発!世界に羽ばたく可能性プロデュース企業



アンダスという社名には、「主役のあなたと共に」という意味の「and us」、

そして「可能性が花開き、成功するための案を出す(=案出す)」という意味が込められています。

「主役のあなたと共に、あなたの可能性が花開き、成功するための案を出し寄り添う存在」でありたい。

そして、この「あなた」とはアンダスで働くメンバー、お客様、地域社会、広くは日本・世界を指します。

アンダスは特別な人たちの集まりではありません。

「普通の人」が、自分の可能性に対して最高の努力をし、探求していく企業です。



僕のイメージですが、地方に行くとその地域や企業に迎合することを求められ、

個人に同質化を求めてしまう印象があります。


そんな「地方あるある」のようなものもある中で、「個人」にフォーカスしたビジョンをもつ企業

地方にあることはとても大きな意味を持つと思っています。


2.3富山がもつ魅力


富山がもつ地域資源の中で、個人的に面白いと感じているのは

人的資源として挙げた富山成長戦略会議です。


詳細はこちらの記事を見て頂きたいのですが、

これまでの地域創生とは一味違う興味深い議論が行われています。


例えば、特別委員として出席しているヤフーCSOで慶応義塾大学教授の安宅和人さんは、

「外に出て行った人は、僕もその一人だったけれど、基本的にもう富山に戻りたくないから出ていった。


今も戻りたくないから住んでいない」とも発言しており、

普通このような場では出てくることは絶対ないであろう言葉も出てきます。


それは、富山をただの「自然が豊かでご飯がおいしい場所」で済ませず、

いかに面白い人材が集った場にできるかということに目が向いているからだと思います。

これは後述するアンダスの採用についてにも通ずる部分があります。


3.美容サロンを起点に地域を支える


続いて事業特徴です。

アンダスの3つの事業の関係性をまとめると、次の図にまとめてみました。



注目すべき点は、美容サロンの地域性に注目して事業展開している点です。


美容サロン専売で目元を中心としたコスメブランド「Omeme」

また、日本で毎年2万人の方が自ら命を絶っている現状に少しでも力になれるようにと、

こんまりメソッドで知られる近藤麻理恵さんが勤めるKonMari Media Japan株式会社と提携し、

美容サロンを入り口に地域の人々の内面にアプローチするIBP(Inner Beauty Project)事業。


これらの事業を展開する際、

アンダスは美容サロンが地域のコミュニティとしての機能をもっていることに注目しました。


アンダスが直接エンドユーザーに届けるのではなく、

エンドユーザーの信頼を得ている美容サロンを介する。


OmemeもIBPも、アンダスが直接的に展開すれば、

ブランディングの面なども考えるとアンダスに大きなメリットがあるように思います。


しかし、より地域の人々に寄り添う形でこのサービスを提供するには、

美容サロンから提供するのがベストだと判断し、このようなモデルにしたのではないかと個人的には推測しています。



4.富山で描く「都会のキャリア」


そしてもう1つアンダスの取り組みで注目すべきなのは、新卒採用です。


僕はこれまで、都市の学生と地元を繋ぐ活動は沢山行ってました。

その際、地元側から発信される魅力のほとんどが「豊かな自然、美味しいご飯、優しい人」といったような、

言ってしまえば他のどの地方でも同じような特徴しか挙げられいないことにとても違和感を覚えていました。


更に、「若いうちは仕事を頑張って力をつけたい」という層に対して適切なアプローチがされておらず、

そのような層は地方企業には目もくれず都市の企業に就職することが殆どでした。



アンダスは、そのような層に対して「地方の生活×都市のキャリア」という

新卒での新しいキャリアと暮らしのあり方を打ち出しました。


そして、「アンダスで働くことでどのようなスキルを得られるのか」ということを明確に記し、

「都市で働くのと同様に成長できる」というイメージを打ち出しました。

その結果、新卒採用第一期と第二期生はの計4名は全員、富山県外出身者だそうです。


スローライフを送りたくて地方に行くのではなく、自己実現やスキルアップのために地方に行く。


これは、地方企業の新卒採用において、とても重要な視点だと思います。


アンダスが採用にかける想いはこちらの記事に詳細に書かれているので、

是非一度読んでいただけたらと思います。

https://cheercareer.jp/interviews/special_contents/84


5.まとめ


いかがだったでしょうか?

富山成長戦略会議での議論や、アンダスが打ち出す採用戦略を見ていると、

今富山では、これまでの地方創生とは一線を画す取り組みが始まっているように思います。


もちろん自然環境や食も大切な魅力1つではありますが、

富山ではそれ以上に「人の魅力化」が1つのポイントになっている気がします。


今後、富山から、そしてアンダスからどのような魅力的な人材が出てくるかがとても楽しみです。

コメント(0)

まだコメントがありません。コメントしてみましょう

コメントするにはまずはログインまたはアカウントの新規登録をしましょう